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2017.11.5|No.18 急性胃腸炎③「胃腸炎の時の対応」

急性胃腸炎はいわば「お腹の風邪」です。
「かぜ」のところで、お話ししたようにかぜは基本的にウイルスなので抗生剤は効きません。


前回胃腸炎にはウイルス性と細菌性の2つがあると言う話をしましたが、ウイルス性であれば効きません。細菌性はどうかというと、細菌性であっても胃腸炎の場合は自然に治ってしまう上に、ごく一部の場合を除いてむしろ下痢が長引くため勧められません。

では、下痢止めや吐き気止めはどうでしょうか?

「下痢」は、悪いウイルスなどを体外に出そうとする体の正常な反応です。これを無理やり止めることでむしろ、治りが悪くなることがわかっています。(整腸剤くらいであれば問題ありません。)ただし下痢をしすぎると、脱水になってしまうのでその分水分を摂取する必要があります。

「嘔吐」も下痢と同様にウイルスを体外に出そうとする体の正常な反応ですが、下痢よりさらにしんどい症状であり、さらに下痢と違い嘔吐によって水分が口からとれなくなると脱水になる可能性があるので、「吐き気止め」は、脱水にならないように使用することもあります。

ここまで述べてきたように、胃腸炎では脱水対策が最も重要と言えます。特に高齢者や子どもの場合は脱水になりやすいので注意です。自宅で出来ることとしては以下の2つが重要と言えます。

・脱水にならないようにこまめに水分をとる:ただし吐き気がある時は、少しずつとります。のどがかわいているので、たくさんとりたくなるのですが、いっぺんにたくさんとると嘔吐しやすくなります。

食事は無理にする必要はなく、お腹が空いたら消化に良いものからとるようにします。なお、食事はともかく水分が全く取れない場合は点滴治療がなどが必要になることがありますのでその時は受診しましょう。

・他の人にうつらないようにする:ウイルス性は感染力が高いので、嘔吐物などの扱いには注意が必要です。


次回は詳しく、胃腸炎時の脱水対策や感染対策について記載します。

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