最近多いのが、「かぜをひいた後、咳が止まらない」ことによる受診です。
たかが咳とあなどるなかれ、咳しすぎてお腹が痛くなったり、嘔吐したり、さらに肋骨が折れたり、失神までする方もいます。特に夜ひどくなる傾向にあるので、夜眠れないこともよくあります。実際自分も、以前に何度か風邪をひいた後の咳で苦しむことが何度かありました。
さて、咳の原因を見極める時に一番重要なことは、咳が続いている期間(持続期間)です。
医学的には急性(咳の持続期間が3週間以内)、亜急性(咳の持続期間が3-8週間)、慢性(咳の持続期間が8週間以上)という分け方もありますが、簡単に1ヶ月以内か1ヶ月以上かでわけてみましょう。
①咳がで始めて1ヶ月以内(特に1週間以内)なら、圧倒的に、ウイルスや細菌などの感染症が多いです。中でも見逃してはいけないのは肺炎ですが、頻度からすると単純にかぜやインフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳などによるものが多いです。
そして意外と多いのが、かぜをひいた後に咳だけ残る状態(感冒後がいそう と言います)です。これはのどがかゆいような感じやのどにひっかかった感じがあって。寒い空気を吸うと余計にひどくなるという特徴があります。
そのほか、気管支喘息や心不全が原因のこともありますが、これらはゼーゼー、ヒューヒューいうことが多いです。風邪を契機に悪化することもあります。
②咳が出始めて1ヶ月以上続く場合は、感冒後がいそう(これは長いと3ヶ月続きます)が原因のこともありますが、感染症以外の原因が多くなります。
例えば気管支喘息などもその原因の1つで、夜はひどいけど、病院に受診する昼間はよくなっており胸の音を聞いても気づかれないこともあります。
また1ヶ月以上続く咳で、体重が減っていたり、血痰が出たり、食欲が落ちている場合は肺がんや結核などのこともあるので注意が必要です。