医療従事者から本格的に始まってますワクチンですが(なお藤井病院にはまだ届いてません)、その数が当面足りないことが大きな問題となっております。
そんな中、1瓶で5回しか打てないのを、インスリンの針を使用して1瓶で7回打てる手法が先日公開され、話題を呼んでます。
この手法には賛否両論があるようで、批判も寄せられていると聞きますが、少なくとも足りないワクチンをどうにか医療従事者にうまく行き渡らせようと考えた結果であり、理論的にも問題ないと思います。
(詳細はダイヤモンドオンラインの記事 https://diamond.jp/articles/-/265122 に譲ります。)
この手法を発表したのは京都にある宇治徳洲会病院で、発案者は院長の末吉先生です。
宇治徳洲会病院は私が2005年4月から2013年3月まで働いた病院であり、現院長の末吉先生は、当時の直属の上司でもありました。
思い返せば当時から、末吉先生は誰も思いつかない、もしくは思いつきそうで思いつかない素晴らしいアイデアをいつも持ち実現してこられました。
その最たるものが、私が医師3年目の時、自分にも大きな影響を与えた「救急総合診療科」という新しい科の設立です。
2006年冬、初期研修2年の終わりを迎えていた自分は、3年目に宇治徳洲会病院にそのまま残って「救急」を専門分野として学ぶという選択をしました。
当時から年間救急車台数5000台(現在は9000台)を誇った部署ですが、そこで従事しようと考えていた私にこう諭してくれました。
「救急だけするのではダメ。救急で来た患者さんが入院になったら入院でも診て初めて大きく成長できます」と言われ、よく意図がわからないまま
救急対応もしながら、その中で入院になった患者さん(主に内科)を主治医として担当するという「救急総合診療科」を始めることにもなりました。
幸いにも、翌年に優秀な後輩が続いてくれこの部署は若手医師にとって教育の場となり、どんどん人員が増えて自分が福山に帰る2013年には10人もの大所帯となりました。(なお現在当院で勤務する喜多先生も同じ救急総合診療科の後輩です。)
自分の後を引き継いだ後輩の先生が、発展させてくれて、今では宇治徳洲会病院の中心部門となっております。
そして自分自身ほぼ全ての内科疾患を診るという、現代の日本の病院ではなかなか経験できない経験をさせて頂き、今に大きく生きています。
末吉先生の話に乗っておいてよかったと 心から思う次第です。
ワクチンの話より宇治徳洲会病院での話がメインになってしまいましたが、ふと気づけば
2013年4月から藤井病院で働き始めてこの年度末でもう8年になります。
これは自分が宇治徳洲会病院で過ごしてきた年数と一緒になりました。
この次の8年も藤井病院にいる予定ですが、新たな挑戦の8年になりそうです。
より一層頑張っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。