自分が力を入れているものに、研修医教育含む若手医師教育があります。
医師は当然最初から1人前ではなく、指導医による教育が必要になります。
しかし、実は医師の世界は、10数年前まで「上級医の背中を見て学べ」というスタイルであり、系統的な指導がなされるようになってきたのはほんの最近のことです。
自分はその最初の頃から若手医師教育をする機会に恵まれてきましたが、福山に帰ってきてからの5年間で(2017年度まで)、のべ34名の若手医師を当院で指導してきました。
自分1人で救える患者さんの数は限られますが、若手医師に基本的なことを教育することで救える患者さんの数は何倍にも何十倍にもなるので非常に重要な役目だと思っております。
いろんな方が宣伝してくれたおかげもあり、年々当院での研修を希望する医師の数が増えており、現在では定員オーバーになるほどで非常にありがたいことです。
教える対象は医師だけではありません。
母校である岡山大学から医学生実習も受け入れており、一方で岡山大学に医学生相手に講義に行くこともあります。
大学での講義というのは非常に大きいもので、こちらがうまく講義すれば、100人近くの(将来の)医師に影響を与えることが出来る可能性があるのです。
医学生だけでなく、看護学生も福山医師会の看護学校の授業を通じて指導する機会があります。
地域の将来を担う人材の育成は、これから最も重要なことの1つですので引き続き頑張りたいと思います。
その他、シミュレーション教育(模擬患者で診療の仕方を学ぶ)にも力を入れております。
・JATEC(外傷の初期診療を学ぶコース)
・JMECC(内科救急の対応を学ぶコース)
・T&A ER版コース(歩いて来院する内科救急患者の対応を学ぶコース)
・T&A プライマリケアコース(診療所での初期対応を学ぶコース)
・T&A マイナーエマージェンシーコース(眼科、耳鼻科、皮膚科、整形外科の疾患を学ぶコース)
・T&A 小児コース(小児の初期対応を学ぶコース)
などのインストラクター(講師)をしております。
福山でもT&Aマイナーエマージェンシーコースを既に2回開催しており若手医師だけでなく看護師、救急隊員などが受講してくれました。今年は、T&A小児コースも是非開催したいと思っております。
これだけシミュレーション教育をしていることもあってか、救急担当理事を拝命している福山医師会でもシミュレーション教育を担当させてもらっております。シミュレーション教育は確実に診療のレベルを上げるので引き続きシミュレーション教育の普及に尽力したいと思っております。
写真は若手医師教育風景です。