いよいよ、日本でも一部の医療関係者から先行投与始まりました、新型コロナウイルスのワクチン。
本当に効果あるの? 副作用は大丈夫なの? など多くの疑問があると思います。
今回はこれらについて解説したいと思います。
①仕組み
インフルエンザワクチンなど従来のワクチンが、無毒化したウイルスそのものを注射していたのと異なり、今回のファイザー社の新型コロナウイルスワクチンは、mRNAと言って、あくまでウイルスの設計図、しかもその一部(トゲトゲしている部分の設計図)だけを注射するのです。
これにより体内でコロナウイルスのトゲトゲしている部分ができて、抗体が産生されるなど免疫応答が起き効果を発揮します。
人間の細胞の核(遺伝子のあるところ)の中で、起こるわけではありませんし、mRNA自体は、速やかに体内から消失しますので、人間の遺伝子が置き換えられるなどということはありません。
ですので
死菌とはいえウイルスそのものが入る従来のワクチンよりはるかに安全と言えます
②効果
大規模なランダム化比較試験という、信頼できる研究によって発症予防効果95%と判明しています。
これはワクチンを接種しなかった人に比べて、接種した人は発症率が95%少なかった(つまり通常の1/20に減らせる)というものです。
インフルエンザワクチンが発症予防効果50%とされているので、これはかなり大きいです。
また重症化についても90%減となっており、例えば早くにワクチン接種したイスラエルでは、死亡率は99%減(100人亡くなるところが1人しか亡くなっていない)など、かなり期待ができるのは間違いなさそうです。
なお1回打っただけで効果が出るという(接種後2週間頃から)報告はありますが、現状日本では2回接種を推奨しております。
一方現時点で発症そのものを抑えるものの感染を抑えるかどうかははっきりわかっていませんし、(一部感染そのものを抑える論文も出てきており期待したいところです。)効果がどれくらい続くのかも、これからはっきりしてくると思います。
引き続き感染対策は進めていく必要はあります。
しかし、この1年間続いた我慢の生活が予防接種で大きく変わる可能性はあります。
③副作用
やはり皆さんが気になるのが、この副作用でしょう。
効果よりこの副作用がメディアで取り上げられることが多く、打ちたくないという人を助長しているように思います。
これも全ては知識不足から来る不安によるものですから、しっかり知っておくことが重要です。
主な副作用は以下のようになっています。
やや、熱などの症状が多いのは事実ですが、ワクチンによる因果関係が証明された死亡は1例も発生していません。
なお一番問題になるアナフィラキシー(重症アレルギー反応)は、10-20万人に1人と言われます。
インフルエンザワクチンでは100万人に1人ですから多いようにも見えますが、
一般的な抗生剤が5000人に1人というところからするとかなり低い数値と言えます。
まとめると、現在、義務ではなくあくまで推奨ではありますが、高い発症予防効果と重症化・死亡率低下、副作用は少し多いものの死亡例は1例もないという安全性から、リスクの高い医療関係者や高齢者は打っておくべきと言えるでしょう
(現在小児への有効性・安全性ははっきりわかっておりません)