今、世の中は、新型コロナウイルスの話題で持ちきりです。
この新型コロナウイルスについて簡潔にまとめてみました。(2020年1月31日時点の情報で、今後変わる可能性はあります)
○症状:発熱、せき、関節痛
○潜伏期間(感染してから発病するまでの期間):1-14日で平均5.2日
○致死率(命に関わる率):約3%
○感染力:インフルエンザウイルス並み
順に見ていきましょう
1.症状:発熱、せき、関節痛
症状としては発熱、せき(たんの絡まないせき)、関節痛ということで、通常の風邪やインフルエンザと見分けがつきにくいですが、せき以外の風邪の症状(鼻水やのどの痛み)が比較的目立たないのが特徴です。
そして、通常の風邪やインフルエンザと違う点は、数日から1週間してから急に呼吸苦などが悪化することがある点 です。
2.潜伏期間(感染してから発病するまでの期間):1-14日で平均 5.2日
インフルエンザ(潜伏期間約1-3日)と違い、潜伏期間が長いのが特徴です。
中国当局ではこの潜伏期間の間にも感染力があるとしていますが、WHOは潜伏期間中に感染力があるかどうか明らかにしていません。
3.致死率(命に関わる率):約3%
この3%は、あくまで病院で新型コロナウイルスと診断された人の中での致死率になる点に注意です。(1月31日時点で2.2%という報告もあります)
新型コロナウイルスでは症状がごく軽微の方もいます。
症状が軽い人の場合、病院に受診しない可能性もありますから、これらの人を分母(患者全体)に入れると、実際には致死率はもっと少ないと考えられます。
ちなみにこの致死率は、2003年に流行したSARSや2015年に流行したMERS(いずれもコロナウイルスの一種です)と比べるとはるかに少ない数字です。
一方インフルエンザの死亡率が0.1%未満であることを考えると、不安になるのも当然のことです。
なお新型コロナウイルスで命に関わっている方はほぼ65歳以上の高齢者か基礎疾患(糖尿病など)がある方です。
4.感染力:ほぼインフルエンザウイルスと同じ
基本再生産率(1人の感染者が、周囲の何人にうつすかを推定した数字)というのがあって、新型コロナウイルスは1.4-2.5人とされます。
つまり1人の患者さんが、自分以外に1−2人にも、うつしてしまうという計算です。
インフルエンザの基本再生産率が1.4-4人ですから、インフルエンザとほぼ同等ということになります。
ただし今後スーパースプレッダー(たくさんの人にうつす人)が出てくる可能性は否定できません。