2018.09.2|No.39
失神③「失神で見逃してはいけない疾患その2」
だいぶ間が空いてしまったのですが、今回は失神(意識を失う)の3回目です。
今までの回で、「失神は、頭ではなく、一番は心臓からくるものが怖い」という話をしましたが
その次に怖いのは「体の中の血液量が少なくなって失神する」ものです。
人間は体の中の血液量が急激に減ってしまうと、脳に行く血の量も減ってしまいその結果意識を失ってしまいます。体がそれに順応しようと働くので、ずっと意識を失ったままということはありませんが、改善がなければ何度か意識を失ってしまうことがあります。
体の中の血液が少なくなるものとしては、具体的にいうと、胃潰瘍(いかいよう)から出血してしまう病気が代表的です。
胃潰瘍は、吐血(とけつ)や下血(げけつ)という形で気づくこともあれば、これらに気づかず意識を失って病院受診して初めて、胃の中から出血したということがわかることも多いです。
逆にいうと、失神したために、病院に受診した場合、きちんとこの病気(と心臓のこと)を考えてくれる医師は能力があるとも言えます。
もし、失神で受診して頭だけ調べられて「何も異常なし」とされたら、それはおかしいと思わなければいけません。
ちなみに胃潰瘍に限らず体の中の血液量が急激に減る病気では同様のことが起こります。
若い女性だと子宮外妊娠破裂(しきゅうがいにんしんはれつ)と言って、正常の妊娠部位でない所に妊娠し、それが破裂して大量出血することで失神することもあります
また血液量だけでなく、脱水などで水分量が激減した場合にも起こり得ます。