現在インフルエンザが大流行しております。
自分自身が医者になって約20年ですが、インフルエンザでここまで外来も入院が多いのはあまり経験ないかもしれません。おそらく20年では過去1番多いと体感的に思います。
実際、広島市内の統計ではありますが、1999年以降では一番1医療機関あたりの患者数が多いとのことです。
この理由はコロナ禍の2020-2022年にインフルエンザの流行がなかったこと=免疫を持っている人が少ないことが1つの要因として挙げられると思います。(なお、この3年間に流行がなかったのはマスク着用や三密の回避などによる効果があった可能性と、コロナウイルスとのウイルス干渉説があります)
そして、今年のインフルエンザのもう1つの特徴は、若くても肺炎になる方がいることだと思います
これも、おそらくこの数年流行がなく免疫がないことによるものと思われます。
一方新型コロナウイルスも年を明けてから少しずつ発生が増えてきていますので、今回は初めて同時大流行となるかもしれません。
なおインフルエンザと新型コロナはほぼ同じような感じになってきたと思います
○両者の共通点は
・普通の風邪よりも感染力が強い
・若い人の場合は、ほとんどがちょっと強い風邪症状で済む
・高齢者や基礎疾患がある方の場合は肺炎を合併して、悪化することがある
○両者の違いは
・インフルエンザは時に若い世代で脳症を起こすことがある
・新型コロナは味覚障害などの後遺症の率がインフルエンザより高い
この辺りだと思います。
問題は、インフルエンザや新型コロナの患者さんが増えることで入院患者さんの絶対数が増え満床状態が続くことです。
当院もそうですが、福山全体どこの病院も満床状態のようです。
どうにかベッドコントロールしながら入院が必要な患者さんを受け入れるようにしたいと思いますが、この波がおさまるまでしばらくは入院ベッドが足りない状況が続くかもしれません。
また、外来においても休日当番や、夜間成人診療所へ患者さんが集中している話をお聞きします。受診をしてもしんどい中3時間待ちなどの話も聞きます。(コロナのピークの時と同様です)
どうしても夜間や休日は診療できる医療機関やできる検査も限られるので、平日日中から症状がある方は、その時間からの受診をお勧めします。