さて、みなさんが一番知りたいであろうかぜ(風邪)の早い治し方ですが、以下の中でどれが一番よいと思われるでしょうか?
1.病院で出された薬を飲む
2.病院で注射をしてもらう
3.ご飯食べて、暖かくしてひたすら寝る
1ですが、かぜ①「よくある勘違い」でも書きましたように、基本的にはかぜ に対して特効薬というものは現在のところはありません。原因はウイルスですので、抗生剤も効きません。(インフルエンザウイルスに対しては平均1日程度早く症状が改善する抗ウイルス薬があります)
ですので、かぜ であれば、自然に治るのを待つことになりますし、放っておいても自然に治るのがかぜ です。では病院で出している薬はなんなのかというと、簡単に言うとつらい症状を緩和しているものです。
咳がひどい時の咳止め、鼻水がひどい時の鼻水止め、そして熱でしんどい時の熱冷ましなどです。これらの薬は症状がつらい時には飲むべきと思いますが、とにかく熱が少しでも出たら、しんどくもないのに解熱剤を飲むというのは、2で述べるように下手をすると治りが遅くなる可能性もあります。
一方漢方薬ですが、うまく使えば劇的な効果を示す場合があります。有名なのが、かぜ のひきかけの葛根湯(かっこんとう)やインフルエンザの時の麻黄湯(まおうとう)です。
2に関して、よく「かぜを 一発で治すような注射をしてほしい」と言われるのですが残念ながら現代にそのような注射はありません。昔よく行われていた解熱剤の注射は、一旦は熱が下がるので注射が効いたように勘違いされているのかもしれません。
そもそも「熱」は敵ではなく、味方で、熱が出ることでウイルスをやっつけようとする体の正常な反応です。ですので無理に下げることで治りが悪くなることすらあります。
3.ということでかぜ を早く治せる可能性が最も高いのは3です。しっかり栄養のあるものをとることは重要です。ビタミンCはかぜ の発症は防げませんが、摂取することでかぜ の治る期間がわずかに早くなったという研究があります。また、体温が上がることで、免疫力が上がることは実験でも示されています。
そして、寝ることも免疫力が上がります。風邪ひいた時とても眠くなりませんか?あれも睡眠をとって風邪を治そうとする体の正常な反応なのです。