北九州や東京では依然患者さんは出ておりますが、新型コロナウイルスの患者さんが、かなり減少し、緊急事態宣言も解除されました。
ここ福山もまだまだ完全ではないですが、平穏な日常が戻りつつあります。
おかげで、自分が担当させていただきメディア(テレビ2社、新聞4社)にも取り上げて頂いた「福山市医師会かぜ・発熱オンライン外来」も、(いい意味で)需要が減ったので、5月末をもって一旦終了としました。
また適宜動向を見ながら再開させていただくことはあるかもしれません。
このようにほぼ終息しつつあるのは、なぜでしょうか?
暖かくなってきたからでしょうか?自粛(じしゅく)の効果でしょうか?
前者の気温についてですが、実際気温や湿度がある程度のところまで上がると患者数が減ることを示した文献も出てきていますので、関係は多少あると思います。日本でいうと北海道に患者が多いのも関係あると言えます。
ただ、それでも暑くなってきても、終息することなく増えている国もあるので、暑くなったら流行しない・暑くなったら完全に収束する とはいえないと思います。
では、後者の、自粛の効果が大きかったのでしょうか?
ところが専門家が「自粛の効果は限定的だった」と言ったことが話題となっております。
自粛が当たり前になったり、緊急事態宣言が出た頃には、結果として感染のピーク(ちなみに3月末です)を超えていたからというのが理由のようです。ちなみになぜ自粛前にピークを超えたかはわからないということのようです。
しかしそれでも、自分は「自粛」の効果はかなりあったと思っています。
ちょうどこの3月末頃から個人での自粛をする人が少しずつ増えてきて、手洗いやうがい、マスクなど1人1人の心がけも徹底されてきたように思いますし、そういう個々の努力の成果だと思っています。
何よりコロナウイルス以外の他の感染症が例年より軒並み少なかったことが、自粛(+手洗い、うがい)の効果が大きかったことを示しています。
基本的にコロナウイルス含む感染症は人から人へうつるので、人同士の接触が減れば感染は減るのは当然のことなのです。
ちなみに海外に比べて日本の死者数が少ないのは、遺伝的な要因、BCGなども考えられますが、日本人の元々の生活様式(家では靴を脱ぐ、ハグや握手をあまりしない)もあるかもしれません。
いずれにしろ、ここまでは大きな医療崩壊を起こすことなく来れていることに感謝です。
しかし、歴史は繰り返すことからしたら、第二波、第三波が来るのは確実と言われています。
もちろんそれに備えて準備すべきだと思います。特に恐ろしいのは冬にインフルエンザが流行した場合に、インフルエンザ患者と見分けがつくのか、患者さんの数自体が多くなってしまい医療崩壊しないかということが気になります。
一方で、もし気温がそこまで関係ない場合、冬になっても大きく増えることにつながらず、場合によっては日本での第二波、第三波が起こらないこともあるのではという気もしています。というかそう願っています。