サムネイル画像
2018.06.24|No.34 失神②「失神で見逃してはいけない疾患その1」

前回、失神(一時的な意識消失)で、頭が原因ということは滅多にないという話をしました。
では、失神した時に僕らが一番気をつけないといけない見逃してはいけないものは何かというと
まずは心臓の病気で、失神の原因の約10%を占めているとされます。

例えば、不整脈や心筋梗塞などが挙げられますが、これらにより一時的に心臓が脳に送られる血液量が少なくなり失神してしまうことがあるのです。心筋梗塞は一時的で勝手に治るということがないので、通常病院受診した気づかれますが、不整脈は病院に到着したら治っていることがありその場合気づかれにくくなります。

なので病院で検査して異常なかったから、全く問題ないと言えないのが怖いところです。
ぽっくり病と言われ健康な成人が急に命を落としてしまうものの原因としても、不整脈が相当数占め、ブルガダ症候群は、その最たる例です。

さて、どういう人が心臓の病気から来る失神を疑うかというと以下です。


・65歳以上
・もともと心臓病を持っている
・気分不良などの前触れなく突然失神した(気分が悪くなってから失神した場合は心臓病でないことが多いです)
・胸痛や動悸がした後に失神した
・横になっていて(立っていてではなく)失神した

これらに1つでも該当する場合は病院を受診された方がよいです。

そのほか、心臓病以外に大きな血管の病気でも失神することがあります。
例えば大動脈解離という大きな動脈が裂けてしまう病気や、肺塞栓といって肺の血管がつまってしまう疾患です。これらにより脳に血液が行かなくなり失神します。いずれも胸の痛みや背部の痛みを伴うことが多いです。

今日挙げたものは見逃してしまうと致命的になることがありますが、失神の診療に慣れていない医師だと頭だけ調べて見逃してしまうことがあります。


最後に1週間ブログの更新が遅くなってしまいましたことをお詫びします。

一覧へもどる