2017.05.28|No.2
頭痛②「危ない頭痛(くも膜下出血)」
頭痛で、危ない疾患の代表といえばくも膜下出血です。(その他髄膜炎やついこつのうてい動脈解離 があります)
若年者でも突然死の原因となりえるくも膜下出血は、発症すると1/3がその場で命に関わり、1/3が助かるが後遺症が残り、1/3が後遺症なく退院できると言われます。
仮にその場で、命に関わらなかったとしても、治療しないで放置すると再破裂が起こる可能性があり、その場合は致命的になります。
そのため、くも膜下出血を疑う頭痛の場合は、すぐに受診することが大切です。
くも膜下出血を我々医師が疑う頭痛のポイントは以下です。
突然:頭痛が起きて数分以内に痛みが最強点まで達した場合です
増悪:どんどん悪化する頭痛です。
最悪:人生で一番痛い痛みの場合です。 誘因:労作時(動いた時)に、頭痛が起こった場合です。
いつもと違う:もともと慢性的な頭痛持ちの方もいると思いますが、いつもと違う頭痛の場合は考えるべきです。
これらのうちどれもなければ、あまり心配する必要はありません。
一方で、どれか一つでもあれば受診をお勧めします。
またオタワルールというものがあって、年齢が40歳未満の方であれば、以下の5項目いずれにも該当しなければ、ほぼ100%くも膜下出血はないと言えます。
首の痛みや硬直
意識を失った
労作時(動いた時)に頭痛が起こった
雷鳴頭痛(発症して即座に痛みがピークに達する)
首を完全に曲げることができない
ちなみにオタワルールのどれか1つがあてはまっても、大半の場合はくも膜下出血以外の病気です。ですが、くも膜下出血の可能性も否定できないため、これらがある場合は受診された方が無難です。
次回は よくある頭痛(緊張型頭痛)についてお話しします。