サムネイル画像
2017.11.19|No.19 急性胃腸炎④「脱水対策と感染対策」

急性胃腸炎は(特にウイルス性は)、自然に治ります。
その間、気をつけるべきは脱水にならないようにすることと、他の人にうつさないことになります。


①脱水対策


健康な大人であれば、簡単には脱水状態になりませんが、小さい子どもや高齢者の場合は脱水になりやすいので注意です。こまめに水分をとることが重要ですが、この時、気をつけることはのどがかわいているからと言って一気に水分を取ってしまうと、嘔吐してしまいやすいです。

吐き気が出てこないか様子を見ながら少しずつ水分をとることが重要になります。吐き気で水分が取れない場合は、吐き気止めを使った上で、少しずつ水分をとってください。吐き気止めを使っても水分が全くとれない場合は、点滴が必要になります。


②感染対策


まずは当たり前のことながら「手洗い」が最も重要になります。
なぜならば、手に付着したウイルスが、最も感染しやすいからです。これだけでもかなりの効果がありますが、ノロウイルスなど感染力の高いウイルスに関しては、家庭内に一人感染者がいると、部屋の中や日用品などもウイルスに汚染されている可能性が高く、手洗いに加えてさらなる対策が必要です。

具体的には、次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒が最も有効です。次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用塩素系漂白剤(キッチン用ハイター)にも含まれているので、後述のように水で薄めることで簡単に消毒液をつくれますが、手袋をすることと換気を忘れないようにしましょう。可能ならマスクやエプロンもしましょう
さて、消毒液を使用し、具体的にどうするか記載します。

・感染者とタオルを分ける
これは消毒液とは関係ないですが、手洗いが不十分だと、共用する日用品を介してうつることがあります。
胃腸炎が流行している冬のシーズンは、ペーパータオルを使用することも良いです。

・ドアノブや便座などの消毒
キッチン用ハイター10ml(キャップ2杯分)を2lの水に溶かせばちょうど良い濃度になりますのでこれらを染み込ませた布などでしっかり消毒します。最近では、薬局にウィルバスなど、除菌スプレーが売っていたりしますので冬を迎える前に購入しておくと良いでしょう。

・嘔吐物の消毒
嘔吐物処理の鉄則は、すぐにふきとる(乾燥させない)ことと、消毒することです。
まずは、菌を飛ばさないように新聞紙やペーパータオルなどを上からかぶせて、静かに外側から内側に嘔吐物を広げないように拭き取ります。拭き取ったものは、ビニール袋に入れてしっかりしばります。
嘔吐物を拭き取った後の床を、ペーパータオルを上かぶせて、消毒液をかけ拭き取ります。


一覧へもどる