2017.07.17|No.9
かぜ①「よくある勘違い」
「かぜ(風邪)」 ってなんでしょうか?
かぜとは「普通感冒」とも言って、ウイルスが体内に入ることでのどの痛み、鼻水、せき、発熱などを起こす ものです。引き起こすウイルスの代表としてライノウイルスなどが挙げられます。ちなみに冬場に流行するインフルエンザウイルスは、かぜ と一緒でウイルスによって引きこされるのですが、かぜ より症状が強くて人にうつりやすい ことが特徴です。
さて今回は、かぜ でみなさんが誤解していることがいくつかあるので代表的なものを記載します。
①熱が出たら = かぜ である
②かぜ は かぜ薬で早く治る。
③かぜ は 抗生剤が効く。
①ですが、基本的に、かぜ と診断するには、のどの痛み、鼻水、せき どれかは最低でも必要なことが多いです。ただ熱が出ただけでこれらの症状がないなら、他の病気の可能性が高いです。例えばこの時期なら熱中症でも熱はでます。
なお典型的なかぜ は、のどの痛みから始まり、熱が出て鼻水、せきと続き数日〜5日程度で改善に向かい1-2週間程度でほぼ治ります。
②に関しては、かぜ薬は あくまで鼻水が出たら鼻水を止める、せき がでたらせきを止める といった対症療法です。決してかぜ が早く治るものではないです。また解熱剤(熱冷まし)なども、せっかく体が熱を出してウイルスを退治しようとしているのに熱を無理やり下げてしまい治りが悪くなることすらあります。
最後に③ですが、 かぜ は ウイルスによって引き起こされるので抗生剤は効きません。それどころか抗生剤による下痢などの副作用が起こったり、耐性菌をつくる原因になっています。にもかかわらずかぜ で抗生剤を飲んでいる方が多いのは医療者側にも問題があって、そこは次回以降に記載します。